学校

保護者授業参観と現代文明論授業研修を実施しました

 7月2日(水)「保護者授業参観」を行いました。本校では、保護者と共に授業や学校を作り上げ、生徒、保護者、教職員が共に育む「共育」を掲げて学校を運営しております。これに併せて、付属浦安高校、付属相模高校、付属市原望洋高校から現代文明論推進委員の先生方をお招きし、「高校現代文明論授業研修」も行いました。授業終了後には、「授業講評会」も実施し、より良い授業構築のために意見交換を行いました。


 高校現代文明論は、自らに「人生如何に生きるべきか」と問いかけ、意義ある人生を送るため、正しいものの見方・考え方を確立し、人道主義・人格主義に基づいた思想を養うことを目的とした科目です。本校では、各学年で週に1回実施しています。1年次では、現代の諸問題について学ぶことを目的として「SDGs」「知的財産」について、2年次は修学旅行と絡めて「平和」について学習します。3年次は身近な社会問題について探究学習を行います。また1、2年次は、そのテーマについて学年団の教員がリレー形式で授業を担当する「オムニバス形式授業」を採用しています。「様々な分野に触れることで、自分の興味や関心を広げる」「多様な専門知識や視点を学べる」「複数の教師の指導スタイルを体験することで、自分に合った学習方法を見つけやすくなる」というメリットがあります。本校の教育活動の特徴の一つであります。

  

  

 100名を超える保護者の方に来校頂き、誠にありがとうございました。「高校でも授業参観があることに驚きました。しかし、生徒たちの様子、どのような先生が、どんな授業しているか、見ることができて有意義でした。」との感想を多数いただきました。今後もこの事業を継続して、開かれた学校つくりに邁進してまいりたいと思います。

  

以下は1学年の授業内容になります。担当者がリレー形式で、授業を行っていきます。

🔶玉谷(英語)SDGs11

 山形県の人口減少の現状を知り、自分たちの住む地域の長所・短所を見つけることを通して持続可能な地域づくりを考えます。

🔶植松(数学)SDGs12

 飢餓を多角的に捉え、物事を多方面から考えられるようにします。

🔶髙橋(体育)SDGs5

 自分の身の周りにある、男女それぞれの違和感の正体を、様々なワークショップを通して考えます。 

🔶石川(理科)SDGs14

 プラスチックの現在の問題点を原料から考え、これからどのような対策をしていけばよいかを考えます。

🔶加藤(国語)SDGs10 16

 体育祭のクラス対抗リレーで設けられるハンディキャップ。それを切り口に「平等」「公正」について考えます。

🔶石黒(家庭)SDGs10

 「差別」「格差」などの不平等を知った上で調和する必要性を理解し、そして違いを認め合い、理解しようとする方法を考えます。

🔶泉(公民)SDGs12

 オムツの消費が環境に与える影響を知り、環境に配慮した企業や自治体の取り組みを理解することで、自分ができることを考えます。

🔶今井(理科)SDGs15

 絶滅危惧種が増加している理由とカカオ農家の増加による森林減少との関係を考えます。

🔶菊地(英語)SDGs3 10

 「救急車有料化の是非」について考えます。それを通して、課題を見つけ、解決するために対策や仮説を立てていく中で、新たな問題が発生する可能性があることや、絶対的な解決策がないことを理解します。

 

以下は、各担任が自身の得意分野を活かして「平和×○○」というテーマで授業を展開します。

🔷二位関(国語)平和×現代思想

 「平和」に関わる問題群を、当事者意識をもって解決に導いていくために複眼的な思考を身につけることを目的とします。具体的にはジャック=デリダの「脱構築」理論を用いて、「平和」を再定義することが主たる活動になります。

🔷 渡辺(数学)平和×HIPHOP

 現在HIPHOPという文化が若者を中心に流行っていますが、悪いイメージが先行していると思っています。なぜHIPHOPというものが誕生したのかを黒人の方への差別などと関連させながら学びます。

🔷川合(理科)平和×国際協力

 「世界がもし100人の村だったら」やチョコレートの原料であるカカオの生産現場を題材に、世界の格差や児童労働の問題について学びます。国際協力やフェアトレードの意義を理解し、自分にできることを考える力を育みます。

🔷渡辺(英語)平和×メディア

 メディアの媒体が新聞、TVからSNSに移り変わった背景について考え、それが戦争にも利用されるようになったことを学びます。また、ますます重要になっていくメディアリテラシーについても「伝言ゲーム」を通して学びます。

🔷矢島(理科)平和×化学

 国家の化学力がその国の強さとなっている現代の世界情勢ですが、第二次世界大戦以降、なぜ核兵器を使う戦争は起きていないのかについて考えます。また、水爆実験を通じて爆弾の威力を体感することで平和と化学の考えを養います。

🔷蛯名(英語)平和×「沈黙」

 集団読書テキスト『沈黙』村上春樹を題材に、人間関係や沈黙の持つ意味を平和の視点からクラスみんなで読んでみます。(最初の一時間は読書しています。)

🔷鎌田(体育)平和×スポーツ

 「古代オリンピック」「近代オリンピック」からスポーツと平和の関連性について考えます。その結果、現在のスポーツ界における「問題点」を見つけ出しその問題点に関しても深く考えます。

🔷鈴木(美術)平和×芸術

 ピカソ、やなせたかし、岡本太郎、平山郁夫の画家たちの作品や活動を通して戦争の歴史を学びます。画家たちが声を上げ、伝えようとしてきたことは何か、平和のために何ができるか、どう考えたのかをたどります。